鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血とは、鉄分が足りなくなることで起きる貧血です。「貧血」のところで書きましたが、赤血球の体積(MCV)が小さくなる貧血の代表になります。

特徴はMCV(平均赤血球容積)が80以下と小さくなります。

鉄欠乏性貧血が疑われたときは、血液中の鉄とフェリチンを確認します。鉄は文字通り血液中の鉄です。フェリチンは貯蔵鉄ともいわれています。鉄分の貯金です。鉄欠乏性貧血の場合は鉄とフェリチンが両方とも低下します。

原因としては出血を第一に考えます。女性であれば月経や婦人科疾患を疑います。また男女問わず消化管出血も疑います。婦人科診察のほか、便の中に血が混じっていないかを確認します。原因がわかればそれに対して対処していきます。

特別な原因がなければ鉄分の摂取が増えるように対応します。食生活のみで改善しないときは鉄剤や鉄分のサプリメントなどで不足した鉄分を補給します。

それではMCV(平均赤血球容積)が大きくなる場合はどうでしょうか?MCVが100を超える場合は大球性貧血といいます(つづく)。