帯状疱疹とは
帯状疱疹は皮膚に帯(おび)状に痛みや水ぶくれを伴う皮疹ができる病気です。
加齢やストレス、免疫力が下がった時などに水痘帯状疱疹ウイルスが悪さをして(再活性化)、帯状疱疹という形で発症します。
50歳以上の方は3人に1人が帯状疱疹を発症すると言われています。また帯状疱疹を発症した後、2割の方が帯状疱疹後神経痛(PHN)を合併してしまい、痛みが長期間続いてしまうことがあります。
帯状疱疹の原因
水痘帯状疱疹ウイルスというウイルス感染です。水ぼうそうと同じウイルスで、日本人の多くの方(9割程度)はこどものときにかかっていると言われています。水ぼうそうにかかったあと、ウイルスは体の中の神経節というところに潜んでいます。
帯状疱疹の治療
原因がウイルスですので、治療は抗ウイルス薬を使用します。通常は内服で、症状がひどいときや基礎疾患があるときなどは点滴で治療します。また痛みに対して痛み止めを使用したり、皮疹に対して塗り薬を使用して対応します。帯状疱疹の予防
50歳以上の方は自費になりますが予防接種をうつことができます。予防接種は2種類あり、従来の生ワクチンとサブユニットワクチン(シングリックス®)というワクチンです。シングリックスの予防効果は高く、有効性97.2%と報告されています。
2つの帯状疱疹ワクチンの特徴は?
2つの帯状疱疹ワクチンを比べると
【生ワクチン】
用法・用量 0.5mlを1回皮下に注射
有効性 60歳以上で51.3%
副作用発現率 58.1%
小児で水痘(みずぼうそう)の定期接種として使用されている
免疫抑制患者さんには接種不適当
費用は比較的安価(当院では1回7150円(税込み)です)
【サブユニットワクチン】(シングリックス®)
用法・用量 0.5mlを2か月間隔で2回、筋肉内に注射
有効性 50歳以上で97.2%、70歳以上で91.3%
副作用発現率 局所性副反応発現率 80.8%、
全身性(注射部位以外)副反応発現率 64.8%
費用は高価(当院では1回24200円(税込み)です)
サブユニットワクチンは高価ですが、帯状疱疹やその後の合併症(帯状疱疹後神経痛、顔面神経麻痺等)を予防できることを考えると、そこまで高くはないとも思います。