更年期障害とは
更年期障害とは、更年期に現れる多種多様な症状の中で器質的変化(他の病気)に起因しない症状を「更年期症状」といい、更年期症状の中で日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」といいます。
更年期障害の原因は
更年期障害の主な原因は卵巣機能の低下ですが、その他に加齢に伴う身体的変化、精神・心理的な要因、社会文化的な環境因子などが影響すると考えられています。
更年期障害の症状
更年期の症状としてはいろいろな症状があります。
①血管運動神経症状:顔のほてり、のぼせ(ホットフラッシュ)、発汗など。
②身体症状:易疲労感、めまい、動悸、頭痛、肩こり、腰痛、関節痛、冷えなど。
③精神症状:不眠、いらいら、不安感、抑うつ気分など。
日本人女性の更年期症状評価表では下記の症状があげられています(日本産婦人科学会生殖・内分泌委員会)。
1.顔や上半身がほてる(熱くなる)
2.汗を書きやすい
3.夜なかなか寝付かれない
4.夜眠っても目をさましやすい
5.興奮しやすく、イライラすることが多い
6.いつも不安がある
7.ささいなことが気になる
8.くよくよし、ゆううつなことが多い
9.無気力で、疲れやすい
10.眼が疲れる
11.ものごとが覚えにくかったり、物忘れが多い
12.めまいがある
13.胸がどきどきする
14.胸がしめつけられる
15.頭が重かったり、頭痛がよくする
16.首や肩がこる
17.背中や腰が痛む
18.手足の節々(関節)の痛みがある
19.腰や手足が冷える
20.手足(指)がしびれる
21.最近音に過敏である
このようにいろいろな症状がありますが、これらの症状は更年期症状に限らず、他の病気でもよくあるような症状のため、他の病気が隠れいていないか確認する必要があります。
更年期障害の鑑別診断
更年期障害かと思っていたら他の病気(器質的疾患)が隠れていたりすることもあります。
例えば、甲状腺疾患、貧血、耳鼻科疾患(メニエル病など)、肝機能障害、腰椎椎間板ヘルニア、関節リウマチ、変形性関節症などの疾患や他の薬の副作用などで更年期障害のような症状が出ることもあります。
更年期障害の治療
更年期障害の治療としては
・ホルモン補充療法
・プラセンタ注射
・漢方薬
・向精神薬 などがあります。
更年期障害に対する漢方薬としては
11柴胡桂枝乾姜湯、23当帰芍薬散、24加味逍遙散、25桂枝茯苓丸、57温清飲、63五積散、105通導散、106温経湯、113三黄瀉心湯 などがあります。
中でも23当帰芍薬散、24加味逍遙散、25桂枝茯苓丸は婦人科三大漢方とも言われているそうです。