甲状腺ホルモンが少なくなると、甲状腺機能低下症と呼ばれます。採血では甲状腺ホルモン(fT3, fT4)が低くなります。甲状腺ホルモンが少なくなると、脳下垂体からTSHが多く分泌されます。甲状腺に働け!働け!と指令を送っているのです。原因としては甲状腺に対する自己抗体が考えられ、抗TPO抗体や抗サイログロブリン抗体の出現を確認します。(慢性甲状腺炎、橋本病と呼ばれます)
甲状腺ホルモンが少なくなると、代謝が低下して体のいろいろな機能が下がってしまいます。元気がなくなったり、寒がりになったり、食欲が落ちたり。その他にも無気力、抑うつ、記憶力の低下、脱毛、むくみなど、さまざまな症状が出てきます。高齢者が甲状腺機能低下症を合併して記憶力が落ちることで認知症と思われることもあります。
治療は少なくなった甲状腺ホルモンを補充(内服)します。
また中枢性の甲状腺機能低下症というのもあります。脳下垂体から分泌されるTSHの分泌が少なく、その結果甲状腺ホルモンの分泌が少なくなってしまいます。